マルチプレックス免疫組織化学染色/免疫蛍光(Multiplex Immunohistochemistry/Immunofluorescence, mIHC/mIF)は、組織の構造を保った状態で、一枚の組織切片中から複数の標的タンパク質(通常5から30以上)を同時に染色・可視化する技術です。従来のIHCよりも詳細な情報を得ることができ、組織微小環境における細胞構成、細胞間相互作用、および機能状態の空間的ヘテロジェニティなどの高精度な評価を実現します。
切片の乾燥:パラフィン切片または凍結切片を65℃のオーブンに入れて一晩(<16時間)乾燥させます。
脱パラフィンおよび再水和:
a)脱パラフィン:パラフィン切片をキシレン1、2、3に順次、各5分間浸します。続いて、パラフィン切片を無水エタノール1、2、3、95%エタノール、85%エタノール、75%エタノールの順に各3分間浸します。最後に純水で3回(各3分間)洗浄します。
b)再水和:切片を室温(21〜25℃)に戻した後、PBSで3回(各2分間)洗浄します。
抗原賦活化:賦活化が必要な場合は、以下のいずれかの方法で行います(サンプルの状態に応じて賦活化を行わない選択も可能です)
マイクロウェーブによる賦活化:1×クエン酸緩衝液(pH 6.0)に入れた切片を電子レンジで沸騰させ(約3分間)、室温で30分間冷却します。
内因性PODのブロッキング:内因性PODブロッキング剤を滴下し、常温・遮光下で10分間反応させた後、PBSで3回(各2分間)洗浄します。
一次抗体反応:
組織切片が完全に覆われるように一次抗体をのせて、28℃±2℃・遮光下で20〜30分間反応させます。
PBSで3回(各2分間)洗浄します。
二次抗体反応:
組織切片が完全に覆われるように標識二次抗体をのせて、28℃±2℃・遮光下で20〜30分間反応させます。
PBSで3回(各2分間)洗浄します。
TSA発色反応:
TSA DiluentとPBSを1:299の比率で混合し、3回転倒混和してTSA Diluent希釈液を調製します。
Cyclic-480を上記のTSA Diluent希釈液で1:250〜1:500の比率になるよう希釈します。
組織切片が完全に覆われるように希釈したCyclic-480を滴下し、常温・遮光下で5〜10分間反応させます。
PBSで3回(各2分間)洗浄します。
光学顕微鏡で陽性反応を観察します、シグナルが確認できたら、次の染色へと進みます。
抗体溶出(必要に応じて、以下のいずれかの方法を選択してください):
a)高温溶出:
[Citrate Antigen Retrieving Buffer]と純水を1:49の比率で希釈して混和します。
電子レンジで3±1分間加熱します。試薬から細かい気泡が出始めたら、95℃ウォーターバスに移し、10〜15分間静置します。
シェーカーにのせ、常温で自然冷却します。
PBSで3回(各2分間)洗浄します。
b)温和な溶出:
60℃に予熱した[1× Ab Stripping Buffer]を滴下し、28℃±2℃・遮光下で10〜20分間反応させます。
PBSで3回(各2分間)洗浄します。
※注:本方法は、ストリッピング後に使用する抗体の由来種が、それまでに使用した抗体の由来種と異なる場合のみ適用可能です(ただし、高温ストリッピングによって既に除去された抗体は除きます)。
1回目の染色サイクルと同様に操作します。
1回目の染色サイクルと同様に操作します。
[DAPI]をPBSで1:49に希釈します。
切片が完全に覆われるように希釈した[DAPI]を滴下し、常温・遮光下で5分間反応させます。
PBSで3回(各2分間)洗浄します。
光学顕微鏡でシグナルが確認できたら、封入します。
[Mounting Medium]を1滴滴下し、気泡が入らないように封入します。
蛍光顕微鏡/共焦点/蛍光スキャナー/多スペクトルイメージングシステム等で画像を取得します。
波長の設定は下表を参照してください。
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