免疫学は、生物が抗原に対して示す免疫応答およびそれに関わるメカニズムを研究します。免疫とは、生体が「自己」と「非自己」の抗原を識別し、自己抗原に対しては自然免疫寛容を維持しつつ、非自己抗原に対しては排除反応を引き起こすという生理的機能を指します。この機能は通常、感染防御や腫瘍抑制などを通じて、生体の恒常性維持と安定化に寄与する免疫防御作用として有益に働きます。しかし、特定の条件下で免疫機能に異常をきたした場合には、アレルギー反応、自己免疫疾患、腫瘍形成など、逆に生体に有害な反応や病理的状態を引き起こすこともあります。