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免疫沈降法(Immunoprecipitation、IP)およびその派生技術である共免疫沈降法(Co-immunoprecipitation、Co-IP)は、抗原抗体反応の特異的な結合原理を利用し、細胞・組織の溶解液から、標的タンパク質やそれと相互作用する分子複合体を特異的に濃縮・精製する生化学的な手法です。固相担体(アガロースや磁気ビーズ)に固定化した抗体により、不要な背景タンパク質の中から目的の抗原だけを効率的に精製します。

サンプルの種類に合わせて適切なプロトコルを選択し、溶解操作を行ってください。

(1)高濃度の界面活性剤(デタージェント)は、免疫沈淀の効率を低下させる原因となります。そのため、まずはRIPAバッファー等を用いて細胞や組織を溶解してタンパク質溶解液を調製し、IPのインキュベーションを開始する段階で、1×TBSまたはIPインキュベーションバッファーを加えて目的の総容量まで希釈することをおすすめします。

(2)十分な量のタンパク質溶解液を使用してください。シングルチューブでのIP実験では、初期タンパク質総量として1〜3 mgの溶解液の使用を推奨します。

(3)溶解液には必ずプロテアーゼインヒビターを添加してください。添加量は、通常のWBサンプルの調製時と比べて1.5〜2倍量に増やすことをおすすめします。

免疫沈降法(IP)操作プロトコル

1. 適切な量の細胞溶解液を入れ、抗体1〜4 μgを加えます。1×TBSまたはIPインキュベーションバッファーを加えて全量を1 mLに調製します(※至適抗体量は抗体価に応じて検討してください)。同量の細胞溶解液に、同量のバッファーおよび同量のアイソタイプコントロール(Control IgG)を加えたものを陰性対照群とします。

2. 4℃で2〜4時間、または一晩回転振盪します。

3. 均一に懸濁したProtein Aアガロースレジン(または磁気ビーズ)を20〜50 μL加え、4℃で1〜2時間回転振盪します。

4. 4℃、500×gで30秒間遠心分離し、上清を吸引除去します(磁気ビーズの場合は、磁気スタンドに1分間静置して上清を除去します)。

5. プロテアーゼインヒビターを含む1×TBSを1 mL加え、ビーズ(沈降複合体)を洗浄します。4℃、500×gで30秒間遠心(または磁気スタンドに1分間静置)し、上清を吸引除去します。この洗浄操作を計4〜5回繰り返します。

6. 5× SDS-PAGEサンプルバッファーを20 μL加え、ビーズを再懸濁します。95〜100℃のブロックヒーター(または熱水浴)で5分間加熱デナチュレーション(変性)させた後、8,000〜10,000×gで3分間遠心し、上清を新しいチューブに注意深く回収します。

7. 回収したIPサンプルをSDS-PAGEウェルにアプライします。残りのサンプルは-80℃で保存可能です。

8. SDS-PAGEでタンパク質を分離後、PVDF膜に転写し、適切な抗体を用いて検出を行います。

※注:IPサンプルをWBで検出する際、サンプル中に含まれる変性抗体の重鎖・軽鎖(L鎖)による干渉を防ぐため、IP専用の二次抗体の使用をおすすめします(例:弊社製品 Rabbit用 Catalog# NBI01H、Mouse用 Catalog# NBI02H)。

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